住宅の屋根に設置された太陽光発電設備で、火災事故が相次いでいます。ソーラーパネルというのは、一度設置してしまえばそれ以降は気にかけることも少なくなるかもしれません。もちろん放置していていいものではありませんし、メーカーに依頼して点検した直後の火災事故も発生しています。これは、業者によっては火災事故の発生となりそうな箇所を把握しておらず、どこを点検していいのかが分からないまま、取り敢えず目に見える範囲に異常がないかをチェックしただけ、ということが考えられます。点検を依頼しようにも、そもそも設置からも十年経つと、設置業者と連絡が付かないという可能性もあります。そこで今回は火災の発生原因、ソーラーパネルの点検、清掃、メンテナンス、火災が起きた場合について書いていきます。

火災の原因

まずは火災の原因について記述します。

住宅の屋根に設置された太陽光発電設備で、火災事故が相次いでいる。

「メーカーの点検で何も問題が見つからなかったので、まさかわが家で火事が起こるとは思いも寄らなかった。家財に被害がなかったことが不幸中の幸いだった」。川崎市に住む50代の男性は、2年5カ月前の出来事を今も鮮明に覚えている。

https://premium.toyokeizai.net/articles/-/18880

住宅用太陽光発電システムの火災、発火、発煙、過熱等の事故等に関する事故情報は、平成20年3月から平成29年11月までに127件登録されています。あくまで登録されているだけなので、届け出ていない火災やちょっとした事故を含めると事故件数はもっと多いでしょう。

  • 太陽電池モジュールまたはケーブルから発生した火災事故等が13件
  • パワーコンディショナ又は接続箱から発生した火災事故等が59件
  • 13件の内、モジュールの発火は、使用年数7年以上の製品で発生
  • ケーブルの発火は、主に施工不良が原因であると推定されている 野地板へ延焼したのは、全て鋼板等なし型のモジュール。

鋼板等なし型のモジュールとは、モジュール裏面に不燃材料である鋼板等がないもの。モジュール裏面ではなく屋根の上に鋼板を敷いてその上にモジュールを設置しているタイプは野地板への延焼は認められていません。

つまり、「不燃材料を挟んでおきましょう」ってことですね。パネルと屋根との間に不燃材料を挟むことにより、万が一火災が発生した場合、気付くのが早ければ被害を少なくすることができます。気付くのが早ければ大きな火災には至りません。

このことは、消費者安全調査委員会も以下のように述べています。

「全製品に発火の危険性があり、太陽光パネルと屋根の間には鉄板といった不燃性の素材を挟まないと重大な火災になる」

太陽光パネルの格安設置業者は、コストダウンの為に不燃性材料を使っていないことも多々あるので、思い当たる方は一度点検してみて下さい。最近は「取り敢えずパネルの設置状況の確認だけでしてもらえないか」と弊社への問い合わせが増えています。弊社ではモジュールと屋根の間の不燃材料の設置も建設会社と業務提携することに対応しております。

発火の流れ

  1. 配線接続部に経年劣化で高抵抗化が起きる。
  2. 高抵抗化によりバイパス経路が常時通電状態になる。
  3. 常時通電状態によりバイパス経路が断線してしまう。
  4. 断線により、高抵抗化が進むことにより異常発熱が起こり発火、若しくは断線により過電圧になりアーク放電してしまい発火。

このような流れで発火に至ります。

太陽電池パネルメーカーの大手、シャープが対応に追われている。同社製の「瓦型住宅用太陽電池モジュール」のうち、2003年2月から05年6月までに製造した10機種について、点検と交換の作業を無償で実施していることを明らかにした。9月18日に発表した。

https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00154/00264/

シャープの説明によると、発火にするに至った直接的な原因は特定できていないとしつつ、「太陽電池セルとインターコネクター(セル間の結線部品)のはんだ付けの強度低下が発火の原因となる可能性が高いとの懸念から、無償での点検と交換に至った」とのことです。このことから結線部分は特に注意して点検する必要があります。

 

火災発生時期

火災が起きた時期は6~8月が非常に多いです。夏場はモジュールも熱くなります。夏場の屋根の表面温度は70度に達することもあります。当然モジュールも同じくらいの高温にあることが簡単に予想できますよね。ここに雑草等で影ができるとどうなるかご存知でしょうか。「ホットスポット現象」という発電していない影の部分だけがさらに高温になります。この状態が続いてもすぐに故障するわけではないのですが、いずれ故障します。故障だけで済めばいいのですが、火災が起きれば最悪全焼なんてことも。 雑草によるホットスポット現象が起きたことによる故障の場合、製品保証の対象外となり修理や交換は自己負担となることがほとんどですが、ソーラー発電装置が原因の家屋の火災では、火災保険が下りるのでしょうか。

火災保険について

火災でソーラーパネル装置ごと家屋が全焼した場合、火災保険が適用されますが、保証されないケースもあるので注意が必要です。

  • 業者の施工に不備があった場合
  • メーカーの初期不良 

この場合は火災保険が適用されません。火災保険には「電気的・機械的事故」という特約があるので付帯している場合には補償があります。火災保険も一度確認してみてはいかがでしょうか。

火事が起きてしまった場合

  1. 太陽光発電ブレーカーを落とす
  2. 接続箱内のブレーカーを落とす
  3. パワーコンディショナーを自立運転に切り替える
  4. モジュールに遮光シートを被せる

太陽光発電ブレーカーを落とさないと、自宅分電盤からの電気の逆流が起きてしまう可能性があります。また、遮光シートを被せないと日当で発電が始まりアーク放電する可能性があります。

よくある故障の原因

実際にパネルの設置現場で見てきた事例です。

  • 経年劣化
  • 取り付け段階のミスによる出火
  • 製品不良
  • 雑草が伸び放題だった
  • パネルと屋根の間に落ち葉が溜まっていた
  • 鳥が巣を作っていた
  • ケーブルの痛み(小動物がケーブルを齧ったものと思われます)
  • モジュールが割れていた(台風被害だと思われます)
  • 接続箱に小動物が侵入してショートした

最後に

弊社ではパネル設置状況の点検を行っています。

「屋根に上って見てほしい」

「発電所が遠いので変わりに点検に行ってほしい」

「パネルの清掃をしてほしい」

「草刈り、除草をお願いしたい」

以上のようなお客様のご依頼を承っております。夏になると依頼が増えて対応ができない場合もございますので予約は早めにお願い致します。現地確保した作業員や派遣作業員ではなく、弊社所属の作業員が全国を回っています。

そのほか、ソーラー発電のことなら何でもお気軽にお問合わせください。