マンション管理には様々な問題があります。

  • 理事長による着服、使い込み、私的流用
  • 管理会社と理事長の癒着
  • 管理組合が機能していない
  • 特定の区分所有者による管理費、修繕積立金の滞納
  • 区分所有者の諦め、無気力化
  • 管理会社による乗っ取り化
  • 理事長の知識不足等の問題
  • 役員の成りて不足
  • 高経年マンションのスラム化
  • 管理組合の財政難、それによる修繕実施の困難

これらの事例はすべて、コンサル業務を行うなかで実際に私が経験してきた問題です。今まで財政的に潤っている管理組合というのは見たことがありません(財政的に潤っていたらそもそも相談をしてこないのかもしれませんが)。そしてほとんどの管理組合は、財政難という大きな問題に加え、マンション、居住者のダブルでの高齢化という問題に直面しています。

IT技術を導入して管理費用を安く抑える方法

管理支援サービスはすでに複数社から提供されています。例えばI社のサービスを導入することで200戸程度のマンションであれば、平均して年間200万円程度の管理費削減ができます。

さらに常勤型や日勤型の管理人を巡回型や無人管理サービスに変更し、清掃はマッチングサービスに置き換えて安く抑え、管理規約や議事録はクラウド上に保存していつでも確認可能、決済や通帳記録は複数人で行うことで不正の防止等、いろんな方法があります。

弊社では管理規約の変更からサービスのお見積りと導入までをお手伝いしております。

大規模修繕はトラブルになりやすい?

大規模修繕で揉めたある管理組合の事例を一つだけ書きます。
(管理会社は大きく分けるとデベロッパー系と独立系の管理会社があります。ここでは詳しく書きませんので、気になる方は調べてみてください)

デベロッパー系はマンションを建てた会社の子会社が管理をしていて、管理費用が高い傾向にあります。反対に独立系は親会社等を持たず、管理に特化していて管理費が安い傾向にあります。

この管理組合は、デベロッパー系に管理委託をしており、管理費用は委託した場合の相場と比べて少し安いかな、というぐらいでしたが、管理がかなり杜撰でした。清掃業者を派遣することなく清掃料はキチンと取っていく、そんな管理状態でした。誰も清掃に来ていないのに洗浄機やポリッシャーを使っての通路部分に一回5万円取られてしまった等の問題が過去にあったようです。このように昔からお金をむしり取られ続けていたようで、さらに今回も割高な金額で大規模修繕をすることになっています。それを理事長が相談もなしに話を進めてしまうので、なんとかならないものかと相談を受けたのが始まりでした。

月々の管理費用は安くても、大規模修繕などで一気にお金を回収する管理会社もあるので注意が必要です。

工事というのは、元請けがすべて自社でやるとは限りません。よほど大きな建設会社でもない限り、もっぱら下請け等のいつも大体同じ業者さんにお願いします。建設会社は一定の取り分がありますが、変わりに何かあったときのリスクを負います。建設会社によっても得意、不得意の部分があるので、小さな会社で捌ききれない部分が出てくると、横のつながりでいつもお世話になっている建設会社にお願いすることもあります。そういうときに、どうしても紹介料やキャッシュバックなどが出てきます。どこかを介すると紹介料は必ず発生してしまいます。

建設業界の仕組みと同じように、管理会社を通して大規模修繕を行うと管理会社が取ってしまうマージンがどうしても発生します。なので管理会社は大規模修繕の仕事を取りたがりますし、住人の理解度の低さと関心の無さを利用し、知識不足の理事長を取り込むことで、議案を通してしまいました。

『何か怪しい』と一部の住人のみなさんは感づいているようですが、かといって自分が理事長になるかというとなりませんし、揉め事を起こしたくないということもあり、おかしいと思いつつ文句を理事長に言うこともありませんでした。区分所有マンションに住まず賃貸に出している人は総会も参加せず、議案に〇を付けて出すだけです。

相談を受けた私が役員の代理として管理組合に入ったことで、住民の皆様が「理事長の独断を止める方法はないか?」と、理事長がいない時に質問してきました。と柔らかく書きましたが、実際は「裁判を起こしてでも工事を止める!」激しい剣幕で怒っている方もいました。私が住民と理事長の間に入り、問題解決の手助けをすることになりました。

今までは、管理組合も機能しておらず、すべて理事長の独断で進められており、住民のこの問題に対する意識も低く諦めモードだったのですが、管理組合に私が入ってきて、住民の意識が変わりはじめました。

  • 管理費用が安くなる可能性があること
  • 修繕等の工事は自分たちで安くて良い業者を選べること
  • 使い込みを監視することで不正を防げる仕組みがあること
  • 理事会をもっと効率化する方法があること
  • 管理をしっかりして、資産価値を高めることができること

理事長だけはなぜか反対し続けましたが、弊社が率先することで管理会社の変更をすることができました。今までの管理状態があまりによくなかったので(管理会社にむしり取られ過ぎてお金がない)、心配なところもありますが今後のマンション管理は良い方向へ進むことと思われます。不動産の専門家として皆様に役立つことができるなら、こんなに嬉しいことはないです。

なぜこのような問題が起きるのか?

個人的にはマンション管理は政治のようなものだと考えています。しっかり監視していないと、誰が何をするか分からない。数の力で民主的に決めるというのは聞こえはいいですが、何も決まらず、何も改善されない等、良い面ばかりではないです。

  • 理事長という役割が大変すぎる。特に大規模修繕なんかあったら尚のこと大変
  • 「何かおかしい」と思っても性格的に強く言えない
  • そもそも管理組合の集会に興味がなく参加してない人が多い
  • 参加数が少ないから、一部の人が独断で決めてしまう

理事長というのは誰にとっても大変な仕事です。報酬が得られるわけでもないですし。でも住民が参加しないと色々なことが勝手に決められていきます。それが一部の人間だけに利益となり、他の区分所有者の不利益となったとしてもです。

私どもは、区分所有者の皆様に管理組合活動への積極的な呼びかけを行い、信頼できるマンション管理士と提携しながら、管理費用を抑えつつ皆様にとって一番利益となるようなご提案をすることを念頭に置いてコンサル業務をしています。

コンサル業務の流れ

まずはメールからご連絡ください。些細なことでもご相談受付しております(相談無料)。

必要な方には管理組合ごとに最適なプランを作成しご提案いたします。